「猫が大好きだけど、猫のいる家に行くとくしゃみが出る」「家族に猫アレルギーがあるけれど、猫と暮らしたい」。そんなとき気になるのが、猫アレルギーが比較的出にくい猫はいるのか、ということです。
暮らし方を整えることで負担を減らせる場合はありますが、誰でも一緒に暮らせるとは限りません。まずは猫種の名前よりも、症状の程度や家族の体調を確かめることから始めましょう。
まず知っておきたいこと
- 猫アレルギーが絶対に起こらない猫種はありません。
- 同じ猫種でも、猫による個体差があります。
- 「低アレルゲン」として名前が挙がる猫種はありますが、安全の保証ではありません。
- 生活環境の工夫で、アレルゲンへの接触を減らせる場合があります。
喘息がある方や、猫に接すると咳・息苦しさが出る方は、迎える前に医師へ相談してください。日本アレルギー学会の案内では、喘息がある場合、新たに毛のあるペットを飼うことは勧めていません。[1][3]
猫アレルギーが少ないとされる猫種TOP7
科学的に「アレルギーが出にくい順」を決めたランキングではありません。
猫種ごとのアレルゲン量を大規模に比較し、1〜7位を決めたものではなく、低アレルゲン猫として紹介されることのある猫種や、研究で取り上げられた猫種を、ねこパートナーが参考ランキングとして整理しました。数字は当サイトの紹介順です。
とくに2〜7位の順番は、症状の出にくさを示すものではありません。「この猫種なら大丈夫」と決めるためではなく、候補について知り、個体差や注意点を確かめる入口としてご覧ください。[1]
サイベリアン
ふわふわの長毛を持つ大型猫で、「低アレルゲン猫」の候補としてよく名前が挙がります。猫アレルギーに関わる物質を作る遺伝子について、小規模な研究が行われた例があります。
ただし、その研究は「サイベリアン全体なら安全」を示したものではなく、アレルゲン量にも個体差があります。[4]
バリニーズ
しなやかな体と長めの被毛が印象的で、低アレルゲン猫の紹介で名前を見かける猫種です。猫種全体でアレルギーが出にくいと確かめられたわけではありません。
「バリニーズなら猫アレルギーでも大丈夫」という意味ではありません。
ロシアンブルー
青灰色の短い被毛が特徴で、低アレルゲン候補として紹介されることがあります。ただし、毛の短さだけでアレルギーの出やすさは判断できません。
見た目が似た猫同士でも、アレルゲン量や人の反応は同じではありません。
ベンガル
特徴的な模様の被毛を持ち、低アレルゲン候補として名前が挙がる猫種です。この猫種もアレルゲンを作るため、猫種名だけを頼りに選ばないことが大切です。
実際の個体と接したときの体調も確認し、心配があれば医師へ相談しましょう。
デボンレックス
独特の柔らかい被毛を持ち、抜け毛が比較的目立ちにくい猫として紹介されます。毛の掃除のしやすさと、アレルギー症状の出にくさは別の話です。
「抜け毛が少ない=アレルギーが起こらない」ではありません。
コーニッシュレックス
カールした特徴的な被毛を持つ猫種です。低アレルゲン候補として紹介されることがありますが、猫種による安全性を裏付ける十分な比較データはありません。
被毛の特徴だけで決めず、その猫と家族の両方を見て判断してください。
スフィンクス
ほとんど毛がないため、アレルギーが起きないと思われがちです。しかし、原因は毛そのものだけではなく、唾液や皮膚などに由来する物質も関係します。
スフィンクスでも猫アレルギーが起こる可能性があります。
猫アレルギーは「毛」だけが原因ではない
実際には猫の唾液や皮膚などに由来するアレルゲンが関係します。「Fel d 1」は、その一つです。毛づくろいで被毛にも付着し、抜け毛やフケなどと一緒に室内へ広がります。
そのため「長毛だから必ず強い」「短毛なら安全」とは言えません。毛が目立たなくても、原因となる物質は存在します。[2]
猫アレルギーがあっても猫と暮らすための7つのコツ
すでに猫と暮らしている場合や、医師と相談しながら環境を考える場合の工夫です。これらを組み合わせても、必ず症状がなくなるわけではありません。無理な我慢を続けず、体調を優先してください。[1][2]
① 寝室には猫を入れない
睡眠中は長時間同じ場所で過ごします。寝室を猫の生活スペースと分け、扉を閉めて休める場所に。猫には別の安心できる寝床を用意し、寝具も定期的に洗いましょう。
② HEPA搭載の空気清浄機を使う
空気中の微細な粒子への対策として活用できます。部屋の広さに合う機種を選び、フィルター交換も忘れずに。床や家具に付着したものは、別途掃除が必要です。
③ 掃除機+床掃除をこまめに
床・ソファ・カーペットの毛やフケを定期的に取り除きます。排気のフィルター性能も確認し、床は拭き掃除も組み合わせて。掃除でつらくなる場合は担当を代わってもらいましょう。
④ 布製品を増やしすぎない
ラグや布張りソファ、クッションは毛やフケが残りやすい場所です。洗えるカバーに替える、敷物を減らすなど、すべて買い替えなくても掃除しやすい工夫から始められます。
⑤ 猫を触った後は手を洗う
触れ合った後は石けんと水で手を洗う習慣を。とくに目・鼻・口に触れる前に意識してください。顔を猫の体へ近づけたり、キスしたりする触れ合いも控えめに。
⑥ ブラッシングで抜け毛を整える
落ちる毛を取り除き、室内に散らばる毛を管理しやすくします。ただし、アレルゲンをなくす方法ではありません。猫の被毛に合う道具で、嫌がらない範囲でやさしく行いましょう。
⑦ お手入れ・掃除の担当を分ける
可能なら、アレルギーのない家族がブラッシングや掃除を担当します。症状がある本人が毛やフケに接する機会を減らす工夫です。担当や頻度は、無理なく続けられる形を家族で相談しましょう。
猫を迎える前にやっておきたい3つのこと
猫との暮らしは長いお付き合いです。「迎えてから考える」ではなく、体調・住まい・お世話の分担まで、先に家族で話し合っておくと判断しやすくなります。
迎える予定の猫本人を知る
同じ猫種でも個体差があります。医師から接触を止められていない場合は、保護主やブリーダーと相談して本人に会う方法も。ただし、短時間症状が出なくても、将来の安全は保証できません。無理に長時間接触して試さないでください。
家族みんなの体調を確認
自分だけでなく、同居する家族の体調も大切です。過去に猫のいる場所でつらくなったことがないか、誰が掃除を担当できるか、寝室を分けられるかも確認を。症状が出たときの対応も、迎える前に話しておきましょう。
不安があれば医師へ相談
猫に接すると、くしゃみ・鼻水・目のかゆみ・咳・息苦しさが出るなら、迎える前に医療機関で相談を。喘息のある方は特に重要です。受診時には「いつ・どこで・どんな症状が出たか」のメモがあると伝えやすくなります。
猫との接触による症状と検査結果などを合わせて、医師が判断します。自分で猫に繰り返し接触する「お試し」を、診断の代わりにしないでください。[2][3]
気になること、短くお答えします
スフィンクスなら猫アレルギーは出ませんか?
毛がほとんどなくても、猫由来のアレルゲンは存在します。スフィンクスでもアレルギー症状が出る可能性があり、「毛がないから安心」とは言えません。[1]
短毛猫なら猫アレルギーが出にくいですか?
必ずしもそうではありません。毛の長さだけでは判断できず、人の反応や猫の個体差も関わります。抜け毛の少なさと、アレルギー症状の出にくさは分けて考えましょう。[2]
サイベリアンなら猫アレルギーでも飼えますか?
低アレルゲン候補として名前が挙がりますが、すべての個体でアレルゲンが少ないわけではありません。猫種全体で安全に暮らせることを示す十分な研究はなく、猫種だけで判断しないことが大切です。[4]
猫アレルギーがあったら猫は飼えませんか?
症状の程度は人によって異なり、環境の工夫で負担を減らせる場合もあります。ただし、強い症状や喘息がある場合、対策だけで飼育可能とは判断できません。猫を迎える前に医師へ相談してください。[3]
猫を洗えば猫アレルギーはなくなりますか?
完全になくなるわけではありません。原因となる物質が一時的に減っても、効果が続くとは限りません。頻繁なシャンプーは猫の負担にもなり得るため、単純な解決策にはせず、必要性や方法は獣医師へ相談しましょう。[5]
猫アレルギーは、なぜ起こる?
原因となる「Fel d 1」とは何なのか。猫によるアレルゲン量の違い、オス・メスや去勢との関係、長毛・短毛との関係を、研究情報をもとに別の記事で解説しています。
猫アレルギーの原因を詳しく見る →猫種名より、「自分たちの暮らし」を見て
- 猫アレルギーが絶対に起こらない猫種はありません。
- 低アレルゲン候補の名前は、安全性の証明ではありません。
- 同じ猫種でも、個体差があります。
- 短毛=安全、無毛=安全ではありません。
- 迎える前の確認と環境の工夫、必要に応じた医師への相談が大切です。
猫種だけで「大丈夫」「無理」と決めるのではなく、自分とその猫との相性を、体調や住環境も含めて確かめることが大切です。人にも猫にも無理のない選択を、焦らず考えていきましょう。
参考情報
- ACAAI:Pets, Dog and Cat Allergies — 猫種による安全性の限界、環境対策。
- AAAAI:Pet Allergy — 原因、受診、お手入れ・生活環境の工夫。
- 日本アレルギー学会運営・アレルギーポータル:成人のぜん息/アレルギーの診療・相談の手引き(PDF) — ペットと喘息についての注意。
- Sartore S, et al. (2017). Polymorphism Analysis of Ch1 and Ch2 Genes in the Siberian Cat. Veterinary Sciences, 4(4), 63. DOI: 10.3390/vetsci4040063 — 小規模な遺伝子研究。
- Avner DB, et al. (1997). Evaluation of different techniques for washing cats. J Allergy Clin Immunol, 100(3), 307–312. DOI: 10.1016/S0091-6749(97)70242-2 — 洗浄の効果と持続性。
情報確認日:2026年10月4日。専門的な研究の読み方は詳細記事の参考文献もご覧ください。編集方針/内容についてのお問い合わせ
